饗宴外交の舞台裏 (38)

日本を舞台に英仏食文化対決

執筆者:西川恵 2001年2月号
タグ: フランス 日本

 英国大使館から昼食会の案内が舞い込んだ。「『英国の味は楽しい!』ランチを催したく、ご出席いただければ幸いです」と文面にある。 英公使邸で一月二十六日に催されたこの昼食会、「英国の食事は美味しくない」という不当な先入観を排すべく、英国がこれから日本で大々的に展開する食文化戦略の第一弾だった。ビュッフェ形式のメニューはゴマソール英大使夫人自ら練り、料理は大使公邸の厨房を三十七年間あずかってきた料理長の畠山武光さんが担当した。 マーマイトとオニオンのパイ・スティック チーズとハムのトーストサンド、イングリッシュマスタード風味

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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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