絶好調「ユニクロ」に死角はないのか

デフレ時代の小売の旗手として快進撃を続けるユニクロ。今期の売上げは昨年から大幅に伸びて四千億円を超えるという。さらに、秋にはロンドンに支店をオープン、海外進出にも乗り出す。そんな中、一方で「ユニクロ限界説」が囁かれ始めてもいる――。 三月二十四日は、「ユニクロ」にとって記念すべき一日となった。山口県に本社を構え、かつては街道沿いの安売り店としか見られていなかったカジュアル衣料専門チェーンが、日本で最も地価の高い街、東京・銀座へと進出したのである。 場所は三越、松屋、松坂屋といった老舗デパートが軒を連ねる中央通り沿いのファッションビル「ニューメルサ」。オープン当日の土曜日午後、高級ブティックが並ぶ他フロアが閑散としているのを尻目に、ユニクロの入った五階ワンフロア、二百坪の売り場だけが大変な賑わいを見せていた。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
出井康博(いでいやすひろ) 1965年、岡山県生れ。ジャーナリスト。早稲田大学政治経済学部卒。英字紙『日経ウィークリー』記者、米国黒人問題専門のシンクタンク「政治経済研究ジョイント・センター」(ワシントンDC)を経てフリーに。著書に、本サイト連載を大幅加筆した『ルポ ニッポン絶望工場」(講談社+α新書)、『長寿大国の虚構 外国人介護士の現場を追う』(新潮社)、『松下政経塾とは何か』(新潮新書)など。最新刊は『移民クライシス 偽装留学生、奴隷労働の最前線』(角川新書)
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