疑惑が取り沙汰されながら証拠がつかめず、野放し状態になっていた「北朝鮮工作船の日本漁船転用説」。今回、警視庁が北朝鮮ルート摘発にこぎつけたが、水面下で黒衣的役割を果たしてきた海上保安庁と「大ゲンカ」を繰り広げている。「あんたのところがべらべら喋っているんだろう!」。立件までの経緯を細かく報道する新聞をたたきつけ、警視庁公安部外事二課幹部は海保幹部をこう怒鳴りつけたという。事件をさらに延ばして北朝鮮当局に結びつけたい警視庁としては隠密捜査を予定していた。しかし新聞には端緒から手口まで書かれており、「海保が喋っている」と勘ぐったわけだ。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン