インテリジェンス・ナウ

アメリカが重視する中国・ロシアの独自情報

攻撃遂行にあたって、アメリカは中国、ロシアとの情報交換を活発化させている。恐ろしいのは、情報面での「ジャパン・パッシング」の再現だ。連載「インテリジェンス・ナウ」拡大版。 小泉純一郎首相がホワイトハウスを訪問してブッシュ大統領と会談した九月二十五日、人目をはばかるようにして、中国国家安全省のテロ対策専門家がワシントン入りした。米中央情報局(CIA)などの専門家と情報交換するためである。「協議は有益だった」――米中協議に出席した米情報当局者はそう述べ、この異例の会合に満足の意を表明したという。「中国核スパイ疑惑」でワシントンが揺らいだ二年前には想像もできない光景だ。

カテゴリ:
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
春名幹男(はるなみきお) 1946年京都市生れ。国際アナリスト、NPO法人インテリジェンス研究所理事。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授、早稲田大学客員教授を歴任。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『米中冷戦と日本』(PHP)、『仮面の日米同盟』(文春新書)などがある。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top