小泉首相は十月十五日、韓国を日帰り訪問した。教科書、靖国問題、さらには北方四島沖のサンマ漁をめぐり、こじれきった日韓関係を軌道に戻すのが目的だったが、二十日から上海で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会合を目前に控え、ギリギリのタイミングでの訪問となった。 APECでは韓国の金大中大統領と同席することになるため、その前に関係を正常化する必要があった。さもないと小泉首相は、初顔合わせとなる金大中大統領と、握手も話もできないということになり兼ねなかった。ただ両首脳の忙しい日程から、小泉首相が朝六時すぎに羽田空港を発ち、午後五時半には戻るという、ソウル滞在実質七時間の駆け足訪問になった。

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