ミャンマーの原子炉建設で露米中の綱引き

執筆者:Foresight 2002年2月号
タグ: ロシア 中国

 ミャンマー政府がロシアから研究用原子炉の技術協力を受けることが決まり、二〇〇三年の完成を目標にミャンマー国内で十メガワット規模の原子炉を建設するという。 ミャンマー政府は、民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさんに対する弾圧を理由に強硬姿勢を続ける米国と対抗するため、かねてから中国やロシアとの外交関係を強化していた。ロシアの技術供与による原子炉建設が決まったことで、米政府は東南アジアでの核開発競争が激しくなること、および同地域におけるロシアのプレゼンスが拡大することに懸念を抱き始めた。 また、今回の原子炉建設は中国にとっても大きな衝撃で、ミャンマーを巡る露米中三カ国の競争は、今後、激化しそうな気配だ。

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