フランス大統領選の決選投票に極右候補が残るという前代未聞の事態。しかし、極右支持率は今回、急激に増加したわけではない。憂うべきはむしろ、極右現象がフランス社会に着実に根付いてきていることだ。[パリ発]五月五日、決選投票が行なわれたフランス大統領選挙では、共和国連合(RPR)のジャック・シラク大統領が八二・二一%というフランス第五共和制始まって以来の高い支持率を獲得して圧勝した。しかし、台風の目となったのは排外主義者の極右、国民戦線(FN)のジャンマリ・ルペン党首。ルペンは四月二十一日に行なわれた第一回投票で一六・八六%を獲得して、シラクとの決選投票に漕ぎつけたからである。
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