FIFAワールドカップ(W杯)日韓共催大会が開幕した五月三十一日、小泉純一郎首相はソウルに飛び、W杯競技場で開かれた開会式に出席した。「私は日本国民を代表し、韓国の金大中大統領とともに、全世界の皆さんを心より歓迎します。(中略)一カ月後に横浜の決勝戦でお会いしましょう」 一分足らずの短いあいさつを終えると、首相は大統領の席に歩み寄り、握手を求めた。大観衆から拍手と鳴り物の音が沸き起こる。握り合った手を高く掲げて、両首脳は競技場の歓声に応えた。 隣国でありながら、あるいは隣国であるがゆえに、ぎくしゃくした関係を続けてきた日韓両国。開会式での両首脳の握手は、日韓新時代の到来を内外にアピールする歴史的なツーショットとなった。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン