ヨーロッパの「没落」で増大する米国の力
米欧間のパワーの均衡によって世界がうまくコントロールされた時代が終わろうとしている。「ユニラテラリズム」(単独行動主義)といえば、ネオコン(新保守主義者)が主導するブッシュ米政権の専売特許と思われがちだが、米国が圧倒的な力と意思で世界を動かす構図は今後、一段と鮮明になるだろう。軍事や経済だけでなく、「人口」という要素が決定的な意味を持つからだ。 先進国で二十一世紀に人口が大幅に増加するのは米国だけ。日本も欧州連合(EU)もロシアも老い行く「黄昏の国」であり、中国も少子高齢化社会を迎える。主要国では米国だけが、高い出生率と移民の吸収で、若く発展を続ける「途上の国」なのである。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン