「フランスは、他の民主主義国家同様、サダム・フセイン独裁政権の崩壊を歓迎する」 バグダッドが陥落した翌日の四月十日に、フランスのシラク大統領はこんな短い声明文を出した。ただし、こう付け加えるのも忘れていない。「治安の安定が確保されたら、イラクは出来るだけ速やかに、国連の承認のもとに主権を取り戻すべきである」。 同時テロの衝撃から回復していない米国民の愛国心に訴えることによって、ブッシュ米大統領はイラク攻撃に国民を引っ張っていった。しかし、「なぜ今なのか」「封じ込め政策ではいけないのか」という問いにはブッシュ政権の説明は決定的な説得力を欠いた。そこを突いて国連安保理で論陣を張ったのがフランスだった。
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