業界に先立って「選択と集中」を打ち出した東芝の低迷が続いている。いち早く改革に着手しながら浮上できぬ理由とは。 二〇〇三年四月末の「ソニーショック」は投資家やアナリストだけでなく、一般のビジネスマンたちの記憶にも深く刻み込まれたが、その三カ月後と半年後の二度にわたって生じた「東芝ショック」はさほどでもない。「ショック」はいずれも株価の急落を表現したもので、決算発表が引き金になった点も共通する。ただ、前者のソニーショックが他の東証主力株にも波及して日経平均の二十年ぶりの七千七百円割れを陰で演出したのに比べ、後者のマーケット全般への影響は限定的。もちろん世界ブランドのソニーと「国際ブランド」にとどまる東芝の落差もある。目立たぬゆえに見逃されがちなのだが、実は東芝ショックの裏に潜む危機は相当に深刻だ。
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