饗宴外交の舞台裏 (176)

夫の退職後も途上国支援を続ける大使夫人たち

執筆者:西川恵 2013年1月17日
タグ: フランス 日本
エリア: アフリカ アジア

 前回、栗山尚一元駐米大使夫人の昌子さんがワシントンで取り組んだ文化活動を紹介した。実は大使夫人たちの中には任地で築いた人脈を生かし、夫が外務省を退職した後も、第3世界の国々や途上国の子供や貧しい人たちへの支援に取り組んでいる人も少なくない。アジアとアフリカの支援に携わる2人を紹介しよう。

 フィリピンの学生を支援する角谷さん(「日比パガサの会」提供)
フィリピンの学生を支援する角谷さん(「日比パガサの会」提供)

 角谷允子(まさこ)さん(78)がフィリピンのストリートチルドレンの就学支援を目的に、友人らと「日比パガサの会」を立ち上げ、代表に就いたのは1989年10月。夫の清氏が3年余の駐比大使を終え、帰国して1年半後のことだ。パガサとはタガログ語で希望を意味する。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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