自民党には性根の据わった政治家が一人もいなくなってしまったようだ。「小泉首相はまるで独裁者だ」などとぶつぶつと不満を漏らす政治家は掃いて捨てるほどいるが、だれ一人として政権打倒に立ち上がる者がいない。だれも立ち上がろうとしないから、世間は「政権を任せられる人物が小泉首相以外に見当たらない」と不承不承小泉支持に回る。いまの日本はこの悪循環の轍にすっぽりとはまってしまっている。 来年(二〇〇五年)は政局激動の年になるという予測が永田町で飛び交っている。郵政事業民営化、三位一体問題で小泉政権は自民党議員の多数と敵対することになり、衆議院解散か総辞職かという瀬戸際に追い込まれるというのだ。

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