国際論壇レビュー

金正恩「亡命」で「核の傘」のほころび隠せ

 この未熟者の独裁者は、アメリカと戦争を始める気なのか? 外部からは、うかがい知れない。それが「困った現実だ」――。4月2日付米紙ワシントン・ポストの社説は嘆いた。ミサイル発射、核実験を繰り返す北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の言動を「正気の沙汰ではない」と形容するメディアもある。

「関与政策」を求める声も出ている。しかし、挑発に対し外交をもって応えれば、また挑発が繰り返されるだけではないか、とポスト紙社説は言う。金融制裁を強化せよ、非道の強制収容所の実態を世界に知らせよ、一層の制裁が必要だ、と社説は訴える。【Answering North Korea with financial sanctions, The Washington Post, April 2

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執筆者プロフィール
会田弘継(あいだひろつぐ) 関西大学客員教授、ジャーナリスト。1951年生まれ。東京外語大英米語科卒。共同通信ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを務め、現在は共同通信客員論税委員、関西大学客員教授。近著に『世界の知性が語る「特別な日本』』 (新潮新書)『破綻するアメリカ』(岩波現代全書)、『トランプ現象とアメリカ保守思想』(左右社)、『増補改訂版 追跡・アメリカの思想家たち』(中公文庫)など。訳書にフランシス・フクヤマ著『政治の衰退』(講談社)など。
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