饗宴外交の舞台裏 (180)

エリゼ宮所蔵ワイン放出で「饗宴を緊縮」する オランド大統領

執筆者:西川恵 2013年5月14日
タグ: フランス
エリア: ヨーロッパ
 エリゼ宮は「聖域」のはずだったが……(C)時事
エリゼ宮は「聖域」のはずだったが……(C)時事

 フランス大統領官邸のエリゼ宮がオランド大統領の下で饗宴の見直しに着手した。具体的には、首脳外交の饗宴に出すワインを高価なものから相対的に安価なものにし、料理を含めた支出を抑制する。これまでエリゼ宮の饗宴予算は事実上青天井だったが、経済低迷と緊縮財政で“聖域”にも手がつけられることになった。見直しの第1弾としてエリゼ宮は今月末、ワイン1200本を放出し、オークションにかける。

 

最高級銘柄が目白押し

 

 今月30日と31日、パリで行なわれるオークションに出品されるワインは、エリゼ宮が保有するワイン全体の10分の1に当たる。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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