みなさんは、ジム・トーミというメジャーリーガーをご存じだろうか。アメリカの多くの野球ファンは、彼の2メートル・115キロの巨体を見て、「現代のベーブ・ルース」になぞらえる。2011年8月、トーミは通算600本塁打を達成し、ルースら栄えある「600本塁打クラブ」の仲間入りを果たした。最終的にはメジャー歴代7位の612本の記録を残し引退、つい先ごろ(7月2日)、シカゴ・ホワイトソックスのGM特別補佐に就任した。そのトーミの打撃技術が「メイド・イン・ジャパン」なのだと言ったら、あなたは疑問を発するだろう。「確かに最近は、アメリカからたくさんの選手がやってくるけど、そんな名前の選手は、日本にいたことがないぞ」と。しかし、この話は本当なのだ。トーミの技術は、あの王貞治選手のコーチを務めた日本人によって培われたものなのだから。

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