見えにくくなった「後継・安倍晋三」の前途

執筆者: 2005年9月号
エリア: アジア

首相への道を順調に歩んできたかに見える男。自民党を揺さぶる小泉首相の手法は、果たして彼を権力の座に近づけるのか、それとも――。「静岡七区に財務官僚の片山さつき氏を擁立しようと思う」 八月十日、小泉純一郎首相からそう打ち明けられた安倍晋三・自民党幹事長代理(五〇)は、言葉を飲み込んだ。 静岡七区選出の衆議院議員(前職)は城内実氏。二〇〇三年の衆院選で、保守新党と選挙協力した自民党の公認を得られなかったにもかかわらず、安倍氏が応援して当選した「安倍チルドレン」の一人だ。衆議院の郵政民営化法案採決に際しては、「今回は誠に申し訳ないが、将来の『安倍政権』実現に向けて全力で支えさせて頂きます」と、議場内で最後の説得に当たった安倍氏を振り切って、反対票を投じた三十七人のうちの一人となった。

カテゴリ: 政治
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