「張成沢」失脚情報を追う(上)「金正恩親政体制」の強化へ

執筆者:平井久志 2013年12月6日
エリア: アジア
 一昨年12月、金正日総書記のひつぎを載せた車と並んで行進する金正恩氏(右)と張成沢氏 (C)AFP=時事
一昨年12月、金正日総書記のひつぎを載せた車と並んで行進する金正恩氏(右)と張成沢氏 (C)AFP=時事

 韓国の情報機関・国家情報院は12月3日、国会情報委員会に対して北朝鮮の張成沢(チャン・ソンテク)国防委員会副委員長の側近である李龍河(リ・ヨンハ)党行政部第1副部長、張秀吉(チャン・スギル)党行政部副部長が11月下旬に公開処刑され、張成沢副委員長の動静も把握できず失脚した可能性が高いと報告した。

 国家情報院は李龍河、張秀吉両氏の処刑に関しては複数のルートで確認しており確実だとしている。国家情報院によると、北朝鮮当局は李龍河、張秀吉両氏の処刑についてはこの事実を国内的に知らせる措置を取っており、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記への忠誠を訴える思想統制を強化しているとした。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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