国際人のための日本古代史 (46)

「奈良の雑煮」で考える「物言わぬ歴史の残像」

執筆者:関裕二 2014年1月10日
タグ: 日本
エリア: アジア

 お雑煮と古代史には、不思議なつながりがある。

 お正月に雑煮を食べるのは、一種の神事だ。年神(正月、家に来訪する神)に供えて、神の力を餅に移し、それを食すことによって、神から御利益をいただく。お雑煮は、古い信仰に由来している。

 それだけではない。「餅の形」が、巡り巡って古代史とつながっているのだ。

 

「東」と「西」の差

 興味深いのは、東日本と西日本では、餅の形も調理の仕方も違うことだ。

 おおまかにいってしまうと、東日本は、角餅を焼いて煮る。西日本は、丸餅を焼かずに煮て食す。なぜか、あべこべなのだ。

カテゴリ: カルチャー
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
関裕二(せきゆうじ) 1959年千葉県生れ。仏教美術に魅せられ日本古代史を研究。武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャルアカデミックフェロー。著書に『藤原氏の正体』『蘇我氏の正体』『物部氏の正体』、『「死の国」熊野と巡礼の道 古代史謎解き紀行』『「始まりの国」淡路と「陰の王国」大阪 古代史謎解き紀行』『「大乱の都」京都争奪 古代史謎解き紀行』『神武天皇 vs. 卑弥呼 ヤマト建国を推理する』など多数。最新刊は『古代史の正体 縄文から平安まで』。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top