ロナルド・レーガン米大統領とマーガレット・サッチャー英首相は、いかにして権力の座に登りつめ、国際政治の舞台に立ち、どんな風に交流していたのか。ある程度は「知ってるつもり」でいた評者は、本書を読み進めて意外な「発見」があるたびにページに折り目をつけてみたところ、最後は見苦しいほど折り目だらけの本になってしまった。
2人の最初の出会いは1975年4月9日であった。既に共和党の有力大統領候補者であったレーガン元カリフォルニア州知事は、外交の経験値を稼ぐべく「写真撮影」の機会を求めて欧州を歴訪していた。キャラハン英外相が多忙を理由に表敬会見をパスした日の午後、レーガンは野党・保守党の党首になったばかりのサッチャーと出会う。2人は意気投合し、45分間の予定だった会見は2時間に延びる。保守的な価値観と反共産主義を共有する2人の友情の始まりである。
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