エボラと鉄鉱石:アフリカ経済予測

執筆者:平野克己 2014年9月27日
タグ: 中国 日本

 エボラ出血熱の感染拡大が止まらない。感染者は5000人を超え、死亡者は2000人を優に上回っている。WHO(世界保健機構)のマーガレット・チャン事務局長は「あと500人の医者と1000人のヘルスワーカーが必要だ」といっている。中国はエボラ対策用にすでに2億元の医療資材を提供、キューバは医療要員165人の派遣を決め、ゲイツ財団は5000万ドルの支援、オバマ米大統領も5億ドルの援助と米軍3000人の投入を発表した。また、中国人民解放軍の研究機関がエボラ出血熱用薬剤の開発に5年前から取り組んでいたことも発表された。体液に接触しなければ感染しないエボラ出血熱の犠牲者は、治療にあたった医療従事者に集中している。勝負は、医療技術者の動員と医療体制の整備にかかっているということだ。

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執筆者プロフィール
平野克己(ひらのかつみ) 1956年生れ。早稲田大学政治経済学部卒、同大学院経済研究科修了。スーダンで地域研究を開始し、外務省専門調査員(在ジンバブエ大使館)、笹川平和財団プログラムオフィサーを経てアジア経済研究所に入所。在ヨハネスブルク海外調査員(ウィットウォータースランド大学客員研究員)、JETRO(日本貿易振興機構)ヨハネスブルクセンター所長、地域研究センター長などを経て、2015年から理事。『経済大陸アフリカ:資源、食糧問題から開発政策まで』 (中公新書)のほか、『アフリカ問題――開発と援助の世界史』(日本評論社)、『南アフリカの衝撃』(日本経済新聞出版社)など著書多数。2011年、同志社大学より博士号(グローバル社会研究)。
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