国際論壇レビュー

対「エボラ出血熱」で最も名を上げた国

 意外な国が世界の称賛を浴びている(C)AFP=時事
意外な国が世界の称賛を浴びている(C)AFP=時事

 拡大するエボラ感染がついにアメリカに飛び火したかと思えば、「イスラム国」への渡航を企てていた男がいきなりカナダ議会へ「テロ」攻撃を仕掛ける――。もはや、世界に隔離された安全地帯はない。当たり前だ。開かれて、つながっていてこそ、今日の繁栄に行きついた。だからこそ、今日の難題がある。そんなことを考えさせられたひと月だ。

 

「平和国家」の堅固な意志

 北欧と並んで「平和な国」のイメージの強いカナダ。10月22日。その首都オタワで事件は起きた。男は、戦没者慰霊碑の前で警護の兵士を銃撃し殺害、道路を挟んで向かいの連邦議会議事堂へと駆け込んだ。議会衛視と銃撃戦になり、衛視長が男を射殺した。映像で見ても、射殺にためらいはない。決然としている。

カテゴリ: 政治 社会 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
会田弘継(あいだひろつぐ) 関西大学客員教授、ジャーナリスト。1951年生まれ。東京外語大英米語科卒。共同通信ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを務め、現在は共同通信客員論税委員、関西大学客員教授。近著に『世界の知性が語る「特別な日本』』 (新潮新書)『破綻するアメリカ』(岩波現代全書)、『トランプ現象とアメリカ保守思想』(左右社)、『増補改訂版 追跡・アメリカの思想家たち』(中公文庫)など。訳書にフランシス・フクヤマ著『政治の衰退』(講談社)など。
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