「人手不足」と外国人 (4)

「人手不足」と外国人(4)「実習制度」拡充で「ブラック企業化」する日本

執筆者:出井康博 2014年11月10日
エリア: アジア

 政府は人手不足の解消を目指し、来年度から「外国人技能実習制度」(実習制度)を拡充する方針だ。外国人実習生の就労期限を一部の職種で3年から5年へと延長し、受け入れ可能の職種に「介護」などが加えられる可能性が高い。そうなれば、昨年末現在で約15万5000人の実習生が大幅に増えることになるだろう。

 実習制度は1993年、「外国人研修・技能実習制度」として導入された。20年前の当時も、中小企業の工場や建設現場などで人手不足が深刻化していた。だが、単純労働者の入国は許されていない。そこで抜け道として、発展途上国の若者が日本で仕事を「実習」するという建前で制度がつくられたのだった。

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執筆者プロフィール
出井康博(いでいやすひろ) 1965年、岡山県生れ。ジャーナリスト。早稲田大学政治経済学部卒。英字紙『日経ウィークリー』記者、米国黒人問題専門のシンクタンク「政治経済研究ジョイント・センター」(ワシントンDC)を経てフリーに。著書に、本サイト連載を大幅加筆した『ルポ ニッポン絶望工場」(講談社+α新書)、『長寿大国の虚構 外国人介護士の現場を追う』(新潮社)、『松下政経塾とは何か』(新潮新書)など。最新刊は『移民クライシス 偽装留学生、奴隷労働の最前線』(角川新書)
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