「元副会長」にミスリードされる「榊原経団連」の危うさ

執筆者:安西巧 2014年11月12日
タグ: 安倍晋三 日本
エリア: アジア
 現在は内閣官房参与を務める   中村元副会長 (C)時事
現在は内閣官房参与を務める   中村元副会長 (C)時事

 経団連がまたもや寒風にさらされている。今年6月の13代会長人事。誰もが認める本命候補だった日立製作所前会長、川村隆(74)が頑に辞退し、OBフル動員で新たな候補者探しに奔走してようやく見つけたのが東レ会長の榊原定征(71)。ところが、にわか仕立ての“財界総理”が着任早々功を焦って打ち出した政治献金の「再開」方針が、マスコミだけでなく、財界内部でも「理論武装も不十分でまさに泥縄」(元経団連副会長)と総スカン状態。首相の安倍晋三(60)への露骨なすり寄りばかりが目立つ榊原経団連は、発足から半年足らずで早くも暗礁に乗り上げた格好だ。

カテゴリ: 政治 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
安西巧(あんざいたくみ) ジャーナリスト 1959年福岡県北九州市生まれ。1983年早稲田大学政治経済学部政治学科卒、日本経済新聞社入社。主に企業取材の第一線で記者活動。広島支局長、編集委員などを歴任し、2024年フリーに。フォーサイトでは「杜耕次」のペンネームでも執筆。著書に『経団連 落日の財界総本山』『広島はすごい』『マツダとカープ 松田ファミリーの100年史』(以上、新潮社)、『さらば国策産業 電力改革450日の迷走』『ソニー&松下 失われたDNA』『西武争奪 資産2兆円をめぐる攻防』『歴史に学ぶ プロ野球16球団拡大構想』(以上、日本経済新聞出版)など。
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