幻に終わった「南アフリカ副大統領」の日本訪問

執筆者:白戸圭一 2015年7月2日
エリア: アフリカ

 マスメディアでは報道されなかった「幻の要人来日」がある。6月28日から30日にかけて予定されていた、南アフリカのシリル・ラマポーザ副大統領の来日計画だ。滞在中は安倍晋三首相との会談や、早稲田大学での講演、日本貿易振興機構(JETRO)のビジネスフォーラムへの出席などが予定されていた。筆者も財界関係の行事で、お目にかかる予定であった。
 来日は6月9日に関係機関に通知があり、日本政府や財界を中心に受け入れ準備を進めていた。ところが、来日まで10日を切った6月19日になって突然、南ア政府から日本政府に対し、訪日中止が伝えられたのである。

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執筆者プロフィール
白戸圭一(しらとけいいち) 立命館大学国際関係学部教授。1970年生れ。立命館大学大学院国際関係研究科修士課程修了。毎日新聞社の外信部、政治部、ヨハネスブルク支局、北米総局(ワシントン)などで勤務した後、三井物産戦略研究所を経て2018年4月より現職。著書に『ルポ 資源大陸アフリカ』(東洋経済新報社、日本ジャーナリスト会議賞受賞)、『日本人のためのアフリカ入門』(ちくま新書)、『ボコ・ハラム イスラーム国を超えた「史上最悪」のテロ組織』(新潮社)など。京都大学アフリカ地域研究資料センター特任教授、三井物産戦略研究所客員研究員を兼任。
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