「古い友人」を「使用人」に替えるプーチン大統領の新戦略

8月12日、クレムリンで前任の大統領府長官セルゲイ・イワノフ氏(左)、プーチン大統領(中央)と会うワイノ新大統領府長官 (C)AFP=時事

 ロシアのプーチン大統領が8月12日、長年の盟友だったセルゲイ・イワノフ大統領府長官(63)を更迭し、アントン・ワイノ副長官(44)を昇格させたことは、「古い友人を使用人に取り替える人事の一環」(政治評論家、スタニスラフ・ベルホフスキー氏)と受け取られている。大統領府長官は巨大な権力機構となった大統領府を統括する重要ポスト。9月18日の下院選を控え、世代交代や指導部一新が進む可能性もある。「反日派」のイワノフ氏が「知日派」のワイノ氏に交代することは、日本の対露外交にとってプラスとなる。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
名越健郎(なごしけんろう) 1953年岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長、編集局次長、仙台支社長を歴任。2011年、同社退社。拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学特任教授を経て、2022年から拓殖大学特任教授。著書に、『秘密資金の戦後政党史』(新潮選書)、『ジョークで読む世界ウラ事情』(日経プレミアシリーズ)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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