堕ちゆく世界の迷走
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世界経済「奇妙な小康状態」の因数分解
年初来、想定外の出来事が相次いでいたグローバル経済が、いま奇妙な小康状態にある。リスク要因を挙げればキリがないが、経済が底割れする事態は防がれている。株価や原油はどちらかといえば、持ち直している。これから冬を迎える前の小春日和のようなひと時の平穏は、なぜ生じているのだろうか。
大きなポイントは中国経済だ。10月25日、日本政府は中国経済に関する基調判断を、さりげなく上方修正した。9月までの「緩やかに減速している」から、「各種政策効果もあり、景気はこのところ持ち直しの動きがみられる」へと変更したのである(月例経済閣僚会議資料11頁)。単なる「月例文学」でないことは、資料につけられたグラフをみればハッキリする。
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