パキスタン「新参謀長」にかかるこれだけの期待

シャリフ「前」参謀長(右)からバジワ「新」参謀長(左)体制へ(C)AFP=時事

 

 11月29日、情け容赦ない過激派掃討作戦で治安改善を進め、積極的な「軍人外交」で対米関係改善にも貢献したパキスタンのラヒール・シャリフ陸軍参謀長(60)が退任、後任にカマル・ジャベド・バジワ将軍(57)が就任した。新参謀長は正規約62万人、予備役を含めると110万人に達するパキスタン最大の組織のトップに立つ。

 

PKO指揮の経験も

 バジワ新参謀長は1980年に陸軍入隊。カナダ・トロントの国防大学や米国の海軍大学院などを経て歩兵師団司令官、西部バローチスタン兵団長、インドとの係争地帯であるカシミール地方の守備を担当する第10兵団司令官などを歴任したエリート軍人である。2007年からはコンゴでの国連平和維持活動(PKO)にも派遣され、のちにインド陸軍参謀長となるビクラム・シン将軍の下で部隊の指揮に当たった。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
緒方麻也(おがたまや) ジャーナリスト。4年間のインド駐在を含め、20年にわたってインド・パキスタンや南アジアの政治・経済の最前線を取材、分析している。「新興国において、経済成長こそがより多くの人を幸福にできる」というのが信条。
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