
2016年の大晦日、新年を祝うラゴスの人々 (C)AFP=時事
アフリカ経済が厳しい状況に直面している。国際通貨基金(IMF)の2016年10月時点の予想では、2016年のサブサハラ・アフリカのGDP成長率は1.4%に終わり、2017年は2.9%になる見通しだという。人口増加率は年率2.6~2.7%だから、これでは1人当たりGDPはマイナスないしは横這いである。
この予想値が発表されたのは米国大統領選挙の前の月だったので、予想値の算定に当たって「トランプ当選」は織り込まれていない。今後、トランプ政権が様々な政策を打ち出していけば、世界経済に関する見通しは大幅な修正を迫られる可能性があるが、アフリカ経済が全体として厳しい状況にあることは疑いない。
とりわけ苦境に陥っているのは、原油価格下落の影響をまともに受けた産油国である。そのうちの1つナイジェリアに、昨年11月下旬に行ってきた。行き先はギニア湾に面した人口2100万の巨大都市ラゴスと、国のほぼ中央部に位置する人工的に建設された首都アブジャであった。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン