饗宴外交の舞台裏 (224)

イバンカはミシェルに勝てるか? 米新政権「ファーストレディー」の発信力

執筆者:西川恵 2017年1月18日
エリア: 北米
ファーストレディーの役割を担うと見られるイバンカさん。その手腕は……(C)AFP=時事

 

 米国のトランプ新政権がスタートする。私の関心の1つは、オバマ時代にさまざまなメッセージの発信拠点となってきたホワイトハウスの強力なソフトパワーがどうなるかだ。個人的には権力の中枢としての性格は強まりこそすれ、ソフトパワーという面ではあまり期待できないのでは、と感じている。

 

「米国のショーウィンドウ」

 トランプ大統領(70)のメラニア夫人(46)は子供の教育のためしばらくニューヨークに残り、ホワイトハウスには住まない。そうしたなか注目はトランプ大統領の最初の妻の娘イバンカさん(35)だ。彼女の夫のクシュナー氏が大統領上級顧問になるため一緒にホワイトハウス入りするとみられ、ファーストレディーを務める可能性が高い。

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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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