日本が対米戦争の口火を切ったのは1941年12月7日(現地時間)の帝国海軍による真珠湾奇襲攻撃だった。誰でも知っている歴史上の事実である。
だが米太平洋艦隊が壊滅させられたとの報に最も喜んだのはロンドンのウィンストン・チャーチル英首相だった。
米国の参戦だけが大英帝国を救う唯一の道だったからである。
ドイツの機甲師団に席巻された欧州は英国を除いてほぼ完全にヒトラーの手に落ち、救う道はただ1つ、アメリカの参戦だけだったからである。日本軍による開戦はその意味で大英帝国を救う唯一の戦略的展開だった。

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