マネーの魔術史 (19)

イギリスを中心とする世界的な金本位制の確立

執筆者:野口悠紀雄 2017年10月5日
エリア: ヨーロッパ
(C)AFP=時事

 

 ナポレオン戦争終結(1815年)から第1次大戦勃発(1914年)までの約1世紀は、イギリスの黄金時代だった。これは、ビクトリア女王の治世(1837年~1901年)とほぼ重なる。

 イギリスは、産業革命を世界に先駆けて実現し、世界の工場となった。インドなど広大な植民地を地球上のさまざまな地点に保有し、もともとはスペインに対して言われた「日の沈むところのない帝国」は、イギリスのことになった。

 1846年の穀物法廃止などに現れているように、産業資本家の勢力が伸張し、自由貿易体制が整えられた。

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執筆者プロフィール
野口悠紀雄(のぐちゆきお) 1940年東京生まれ。東京大学工学部卒業後、大蔵省入省。1972年エール大学Ph.D.(経済学博士号)取得。一橋大学教授、東京大学教授などを経て、現在、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論。1992年に『バブルの経済学』(日本経済新聞社)で吉野作造賞。ミリオンセラーとなった『「超」整理法』(中公新書)ほか『戦後日本経済史』(新潮社)、『数字は武器になる』(同)、『ブロックチェーン革命』(日本経済新聞社)、『マネーの魔術史』(新潮選書)、『AI時代の「超」発想法』(PHPビジネス新書)など著書多数。公式ホームページ『野口悠紀雄Online』【http://www.noguchi.co.jp
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