北朝鮮「平昌平和攻勢」の舞台裏(1)開会式前日強行「軍事パレード」の意味

執筆者:平井久志 2018年2月26日
エリア: 北米 アジア
2月8日、北朝鮮・平壌の金日成広場で行われた朝鮮人民軍創建70周年記念軍事パレードに出席する金正恩党委員長 (C)EPA=時事

 

 金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、韓国の平昌冬季五輪に妹の金与正(キム・ヨジョン)氏を特使として送り込み、文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領に早期の南北首脳会談を呼び掛けるなど猛烈な対南平和攻勢を掛けた。文大統領は「南北関係の発展には米朝対話が必ず必要だ」と釘を刺し、南北首脳会談の実現のためには米朝協議の進展が必要だ、と指摘した。北朝鮮による平和攻勢に文大統領が踏みとどまり、米朝協議の必要性を訴えた形だ。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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