風の向こう側 (18)

レッスンプロも覚悟した「遅咲き」宮里優作が交わした「父との約束」

執筆者:舩越園子 2018年3月6日
タグ: インド 日本
「マスターズ」に向け、世界を舞台に戦う準備も必要だ(「WGC メキシコ選手権」にて、筆者撮影)

 

「やっと、スタートライン。やっと、自分のやりたかったことが始まった」

 世界選手権シリーズの「WGC メキシコ選手権」会場で、宮里優作は拳を握り締めながら、何度も何度も「やっと」を口にした。

 やりたかったこと――もちろん、それは長い間、目標に掲げてきた「マスターズ」(4月5~8日開催)に、37歳にして初出場することを指していた。

 昨年11月の日本ツアー最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」を圧勝して逆転で賞金王に輝いた後、アジアンツアー最終戦「インドネシアン・マスターズ」(12月、4位)でマスターズ出場資格である世界ランキング50位以内に食い込み、ようやく手に入れた「オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ」への切符。

カテゴリ: スポーツ
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執筆者プロフィール
舩越園子(ふなこしそのこ) ゴルフジャーナリスト、2019年4月より武蔵丘短期大学客員教授。1993年に渡米し、米ツアー選手や関係者たちと直に接しながらの取材を重ねてきた唯一の日本人ゴルフジャーナリスト。長年の取材実績と独特の表現力で、ユニークなアングルから米国ゴルフの本質を語る。ツアー選手たちからの信頼も厚く、人間模様や心情から選手像を浮かび上がらせる人物の取材、独特の表現方法に定評がある。『 がんと命とセックスと医者』(幻冬舎ルネッサンス)、『タイガー・ウッズの不可能を可能にする「5ステップ・ドリル.』(講談社)、『転身!―デパガからゴルフジャーナリストへ』(文芸社)、『ペイン!―20世紀最後のプロゴルファー』(ゴルフダイジェスト社)、『ザ・タイガーマジック』(同)、『ザ タイガー・ウッズ ウェイ』(同)など著書多数。最新刊に『TIGER WORDS タイガー・ウッズ 復活の言霊』(徳間書店)がある。
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