サイバーウォー・クレムリン (15)

復活に向けて動き出したロシア「宇宙大国化」

執筆者:小泉悠 2018年5月15日
エリア: 北米 ヨーロッパ
道路標識の下につけられた垂れ幕には、「私たちの給料はどっち?」と書かれている。ヴォストーチュヌィ宇宙基地の近くにて(アムールインフォHPより)
 

 

 ドローンと同様、宇宙は現代の戦争を考える上で不可欠のドメイン(領域)となりつつある。核弾頭の技術開発を加速させるための弾道ミサイルから出発したロケット技術は、そのまま人工衛星を打ち上げるロケットとなり、冷戦下の米ソは偵察衛星から通信衛星、弾道ミサイル警戒衛星、航法衛星など様々な軍事衛星を競って打ち上げた。冷戦期に打ち上げられた人工衛星の約8割は軍事用途を帯びていた、とも言われる。

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執筆者プロフィール
小泉悠(こいずみゆう) 東京大学先端科学技術研究センター准教授 1982年千葉県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修了。民間企業勤務を経て、外務省専門分析員、ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所客員研究員として2009年~2011年ロシアに滞在。公益財団法人「未来工学研究所」で客員研究員を務めたのち、2019年3月から現職。専門はロシアの軍事・安全保障。主著に『軍事大国ロシア 新たな世界戦略と行動原理』(作品社)、『プーチンの国家戦略 岐路に立つ「強国」ロシア』(東京堂出版)、『「帝国」ロシアの地政学 「勢力圏」で読むユーラシア戦略』(同)。ロシア専門家としてメディア出演多数。
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