米朝首脳会談「1カ月」の検証(1)対米「不敗」「共同作戦」確認した中朝関係

執筆者:平井久志 2018年7月24日
エリア: 北米 アジア
歴史的な米朝首脳会談からわずか1週間後、中国を訪問して中朝の結束を強調した金正恩党委員長(右、左は習近平総書記)[KCNA VIA KNS]EPA=時事

 

 ドナルド・トランプ米大統領と金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の米朝首脳会談が6月12日に行われてから、1カ月以上が過ぎた。そこで発表された共同声明には、非核化については北朝鮮が「朝鮮半島における完全な非核化に向けて努力する」と約束しただけで、非核化への工程表も期限もなく失望感が広がった。トランプ大統領が北朝鮮に「体制の保証」を与えることを約束し、金党委員長は「朝鮮半島の完全な非核化への約束」を確認するという象徴的な約束を交わしただけで、「体制の保証」にも「非核化」にも具体性はなかった。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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