サイバーウォー・クレムリン (20)

「AI兵器」実用化最前線に横たわる危惧

執筆者:小泉悠 2018年10月12日
エリア: ヨーロッパ
向かって左上にあるグレーの箱が「照準ユニット」(カラシニコフ社のデモ映像より。以下同)

 

 前回の小欄(2018年10月3日「無人車両『UGV』開発を急ぐロシアの『課題』と『意図』」)では、ロシアが無人車両(UGV)、特に戦闘ロボットUGVの開発を熱心に進めながらも、その前途がなかなか多難であることを紹介した。

 ただ、これは現在のようにUGVが後方から遠隔操作される場合の話である。仮にUGVが人工知能(AI)を搭載し、自らの判断で目標を発見から追尾、照準、攻撃まで行うことができるようになれば、ロボット兵器の現実味は俄然高まってくる。

フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
小泉悠(こいずみゆう) 東京大学先端科学技術研究センター准教授 1982年千葉県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修了。民間企業勤務を経て、外務省専門分析員、ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所客員研究員として2009年~2011年ロシアに滞在。公益財団法人「未来工学研究所」で客員研究員を務めたのち、2019年3月から現職。専門はロシアの軍事・安全保障。主著に『軍事大国ロシア 新たな世界戦略と行動原理』(作品社)、『プーチンの国家戦略 岐路に立つ「強国」ロシア』(東京堂出版)、『「帝国」ロシアの地政学 「勢力圏」で読むユーラシア戦略』(同)。ロシア専門家としてメディア出演多数。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top