「平和構築」最前線を考える
「平和構築」最前線を考える(6)

存在しない「ロヒンギャ難民」の存在の重さ

執筆者:篠田英朗 2018年10月23日
カテゴリ: 国際 政治 社会
バングラデシュ南東部・コックスバザールの難民キャンプに広がる、「ロヒンギャ」の家々 (C)時事

 

 私が今夏にバングラデシュの研究所で報告を行ったときの様子は、当地のメディアでとりあげられた。日本人が中国にまで言及し、ロヒンギャ問題への地域的な政治対応の枠組みが必要だ、と述べたことが、目を引いたようだ。  

 もちろん私とて、地域大国による問題解決の努力が始まる現実的な見込みがあると考えているわけではない。しかし現在は、複雑なロヒンギャ問題への政治的対応の試みが、あまりにも欠落している。問題解決の見込みがないどころか、事態改善の糸口すらないのが、実情だ。

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執筆者プロフィール
篠田英朗 東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。1968年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業、同大学大学院政治学研究科修士課程、ロンドン大学(LSE)国際関係学部博士課程修了。国際関係学博士(Ph.D.)。国際政治学、平和構築論が専門。学生時代より難民救援活動に従事し、クルド難民(イラン)、ソマリア難民(ジブチ)への緊急援助のための短期ボランティアとして派遣された経験を持つ。日本政府から派遣されて、国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)で投票所責任者として勤務。ロンドン大学およびキール大学非常勤講師、広島大学平和科学研究センター助手、助教授、准教授を経て、2013年から現職。2007年より外務省委託「平和構築人材育成事業」/「平和構築・開発におけるグローバル人材育成事業」を、実施団体責任者として指揮。著書に『平和構築と法の支配』(創文社、大佛次郎論壇賞受賞)、『「国家主権」という思想』(勁草書房、サントリー学芸賞受賞)、『集団的自衛権の思想史―憲法九条と日米安保』(風行社、読売・吉野作造賞受賞)、『平和構築入門』、『ほんとうの憲法』(いずれもちくま新書)など多数。
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