「平和構築」最前線を考える
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存在しない「ロヒンギャ難民」の存在の重さ
私が今夏にバングラデシュの研究所で報告を行ったときの様子は、当地のメディアでとりあげられた。日本人が中国にまで言及し、ロヒンギャ問題への地域的な政治対応の枠組みが必要だ、と述べたことが、目を引いたようだ。
もちろん私とて、地域大国による問題解決の努力が始まる現実的な見込みがあると考えているわけではない。しかし現在は、複雑なロヒンギャ問題への政治的対応の試みが、あまりにも欠落している。問題解決の見込みがないどころか、事態改善の糸口すらないのが、実情だ。
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