カルロス・ゴーン日産自動車前会長の突如の逮捕、解任劇は、世界中のビジネス界へ激震を走らせた。この事件で筆者がもっとも心配するのは、世界が日本企業との提携に今後厳しい対応をしてくるのではないかという点だ。自動車業界に限らず、今回の事件は日本ビジネス界の多くの分野への禍根を残すことになりはしないか。日本的な「内向き志向」の行動様式に対する批判の増幅である。
10年ほど前であるが、筆者はゴーンと直接話したことがある。日産・ルノーがパリで企画した国際学生ビジネスプロジェクト・コンペの席上だった。日米英仏印の学生が国際的共同プロジェクトを組織し、ビジネスモデルの優劣を競争する企画だった。確か最優秀賞は仏グランゼコール(大学より格上の専門学校)、インドの大学、それに東京大学の学生による共同プロジェクトであった。
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