「ゴーン事件」で問われる「日本企業」「日本社会」真の国際化

執筆者:渡邊啓貴 2018年12月3日
逮捕直前、フランスでルノーの工場にマクロン大統領を案内してご機嫌だったが(C)AFP=時事

 

 カルロス・ゴーン日産自動車前会長の突如の逮捕、解任劇は、世界中のビジネス界へ激震を走らせた。この事件で筆者がもっとも心配するのは、世界が日本企業との提携に今後厳しい対応をしてくるのではないかという点だ。自動車業界に限らず、今回の事件は日本ビジネス界の多くの分野への禍根を残すことになりはしないか。日本的な「内向き志向」の行動様式に対する批判の増幅である。

 10年ほど前であるが、筆者はゴーンと直接話したことがある。日産・ルノーがパリで企画した国際学生ビジネスプロジェクト・コンペの席上だった。日米英仏印の学生が国際的共同プロジェクトを組織し、ビジネスモデルの優劣を競争する企画だった。確か最優秀賞は仏グランゼコール(大学より格上の専門学校)、インドの大学、それに東京大学の学生による共同プロジェクトであった。

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執筆者プロフィール
渡邊啓貴 東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。1954年生れ。パリ第一大学大学院博士課程修了、パリ高等研究大学院・リヨン高等師範大学校客員教授、シグール研究センター(ジョージ・ワシントン大学)客員研究員、在仏日本大使館広報文化担当公使(2008-10)を経て現在に至る。著書に『ミッテラン時代のフランス』(芦書房)、『フランス現代史』(中公新書)、『ポスト帝国』(駿河台出版社)、『米欧同盟の協調と対立』『ヨーロッパ国際関係史』(ともに有斐閣)『シャルル・ドゴ-ル』(慶應義塾大学出版会)『フランス文化外交戦略に学ぶ』(大修館書店)『現代フランス 「栄光の時代」の終焉 欧州への活路』(岩波書店)など。最新刊に『アメリカとヨーロッパ-揺れる同盟の80年』(中公新書)がある。
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