「人手不足」と外国人 (31)

ブータン留学生の「自殺」が暴いた「深く暗い闇」(中)

執筆者:出井康博 2019年1月21日
タグ: 人手不足 日本
エリア: アジア
いわき市内の一軒家に看板を掲げる日本のエージェント「SND」(フェイスブックより)

 

 ブータン労働人材省が主導した日本留学制度「学び・稼ぐプログラム」への批判が、ブータン国内で噴出している。そのきっかけが、2018年12月に留学先の福岡市内で起きたソナム・トブゲイ君(亨年24)の「自殺」である(本稿「上」参照)。

 多額の借金を背負い入国する留学生は、何もブータン人に限った話ではない。ベトナムなどアジアの新興国から毎年万単位の流入が続く“偽装留学生”も同様だ。しかし、ブータン以外の国では問題になっていない。なぜ、ブータンだけで制度への批判が高まっているのか。

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執筆者プロフィール
出井康博(いでいやすひろ) 1965年、岡山県生れ。ジャーナリスト。早稲田大学政治経済学部卒。英字紙『日経ウィークリー』記者、米国黒人問題専門のシンクタンク「政治経済研究ジョイント・センター」(ワシントンDC)を経てフリーに。著書に、本サイト連載を大幅加筆した『ルポ ニッポン絶望工場」(講談社+α新書)、『長寿大国の虚構 外国人介護士の現場を追う』(新潮社)、『松下政経塾とは何か』(新潮新書)など。最新刊は『移民クライシス 偽装留学生、奴隷労働の最前線』(角川新書)
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