「弾道ミサイル防衛」から読み解く日露「領土交渉」着地点

執筆者:小泉悠 2019年1月28日
エリア: ヨーロッパ アジア
会談に臨む安倍、プーチン両首脳(C)AFP=時事

 

 昨今、日露の領土問題の進展に関する期待が再び高まっている。そのきっかけは、昨年9月にウラジーミル・プーチン大統領が提案した「前提条件なしの平和条約締結」であり、これ以降、日露首脳はほぼ1カ月に1回という極めて早いペースで会談を重ねてきた。

 特に1月22日にロシアの首都モスクワで実施された日露首脳会談の前後には、日露のマスコミが連日のように領土交渉を取り上げるという状況が続いており、ちょっとした北方領土ブームのような趣がある。

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執筆者プロフィール
小泉悠(こいずみゆう) 東京大学先端科学技術研究センター准教授 1982年千葉県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修了。民間企業勤務を経て、外務省専門分析員、ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所客員研究員として2009年~2011年ロシアに滞在。公益財団法人「未来工学研究所」で客員研究員を務めたのち、2019年3月から現職。専門はロシアの軍事・安全保障。主著に『軍事大国ロシア 新たな世界戦略と行動原理』(作品社)、『プーチンの国家戦略 岐路に立つ「強国」ロシア』(東京堂出版)、『「帝国」ロシアの地政学 「勢力圏」で読むユーラシア戦略』(同)。ロシア専門家としてメディア出演多数。
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