不機嫌な「習近平」(上)全人代での屈辱的「譲歩」

執筆者:野口東秀 2019年3月27日
エリア: 北米 アジア
拍手はするものの、仏頂面 (C)EPA=時事

 

 3月15日に閉幕した中国の全国人民代表大会(全人代=国会に相当とされるが党の決定の追認大会と言われる)において、個人的に興味を惹かれたのは、エコノミストが議論する経済政策うんぬんというより、習近平国家主席の終始憮然とした不機嫌そうな顔だった。

 李克強首相が緊張からなのか見ている側があきれるくらい、まるでマラソンを終えた選手のような汗を流し、政治報告を読み終えて席に着いても、習主席は、握手すらしなかった。これでは李首相のメンツもない。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
野口東秀(のぐちとうしゅう) 中国問題を研究する一般社団法人「新外交フォーラム」代表理事。初の外国人留学生の卒業者として中国人民大学国際政治学部卒業。天安門事件で産経新聞臨時支局の助手兼通訳を務めた後、同社に入社。盛岡支局、社会部を経て外信部。その間、ワシントン出向。北京で総局復活後、中国総局特派員(2004~2010年)として北京に勤務。外信部デスクを経て2012年9月退社。2014年7月「新外交フォーラム」設立し、現職。専門は現代中国。安全保障分野での法案作成にも関与し、「国家安全保障土地規制法案」「集団的自衛権見解」「領域警備法案」「国家安全保障基本法案」「集団安全保障見解」「海上保安庁法改正案」を主導して作成。拓殖大学客員教授、国家基本問題研究所客員研究員なども務める。著書に『中国 真の権力エリート 軍、諜報、治安機関』(新潮社)など。
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