旧ソ連圏の「閉塞」に風穴開けたウクライナ「コメディアン大統領」

圧勝したゼレンスキー新大統領だが…… (C)EPA=時事

 

 4月21日のウクライナ大統領選・決選投票で、70%以上の得票で圧勝したウォロディミル・ゼレンスキー氏(41)は、政治経験のないコメディー俳優という変り種だ。東部の内戦や経済危機が長期化し、国民の約1割が欧州など国外に移住するという停滞の中で、既存政治家への不満が高まり、政治・社会の刷新を訴えて勝利した。政治基盤を持たず、国民的人気が頼りという綱渡りの治世となるが、その勝利は旧ソ連圏全体を覆う閉塞感に変化をもたらす可能性もある。

カテゴリ: 政治 社会 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
名越健郎(なごしけんろう) 拓殖大学海外事情研究所客員教授。1953年岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長、編集局次長、仙台支社長を歴任。2011年、同社退社。拓殖大学海外事情研究所客員教授。国際教養大学特任教授、拓殖大学特任教授を経て、2024年から現職。著書に、『秘密資金の戦後政党史』(新潮選書)、『ジョークで読む世界ウラ事情』(日経プレミアシリーズ)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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