景気「悪化」なのに「消費増税」は本当に必要か

執筆者:磯山友幸 2019年5月17日
エリア: アジア
「アベノミクス」も終焉か……(写真はイメージです)

 

 ついに「景気悪化」をはっきりと示す調査結果が現われた。内閣府が5月13日に発表した、3月の景気動向指数(CI)の速報値である。

 2015年を100として景気の現状を示す「一致指数」が99.6と、前月より0.9ポイントも下がり、指数の推移から機械的に決まる基調判断が「悪化」となったのである。基調判断が「悪化」となったのは、2013年1月以来6年2カ月ぶりのことだ。

「アベノミクスの終焉」が顕著に

 6年2カ月前の2013年1月というのは、第2次安倍晋三内閣が前年12月末に発足した直後。その頃から安倍首相は大胆な金融緩和を含む「アベノミクス」を打ち出し、為替の円安が進んだことで企業収益が大きく改善した。

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執筆者プロフィール
磯山友幸(いそやまともゆき) 1962年生れ。早稲田大学政治経済学部卒。87年日本経済新聞社に入社し、大阪証券部、東京証券部、「日経ビジネス」などで記者。その後、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、東京証券部次長、「日経ビジネス」副編集長、編集委員などを務める。現在はフリーの経済ジャーナリスト活動とともに、千葉商科大学教授も務める。著書に『2022年、「働き方」はこうなる』 (PHPビジネス新書)、『国際会計基準戦争 完結編』、『ブランド王国スイスの秘密』(以上、日経BP社)、共著に『株主の反乱』(日本経済新聞社)、『破天荒弁護士クボリ伝』(日経BP社)、編著書に『ビジネス弁護士大全』(日経BP社)、『「理」と「情」の狭間――大塚家具から考えるコーポレートガバナンス』(日経BP社)などがある。
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