
自著『雨だれのうた』(昭和22=1947=年刊より。撮影年不詳だが、義江と結婚できた幸せの頂にいたころ)
あきは妊娠した。
義江とあきはシシリー島での演奏旅行を終え、一旦ミラノに帰り、新緑鮮やかな初夏のパリに来ていた。そこであきの妊娠がはっきりとした。
大切な時期であると一旦はミラノの自宅に落ち着き、義江はソフィア、ブカレスト、ベオグラード、ブタペストへと演奏旅行に出かけた。
夏になると2人は避暑に、スイスのサンモーリッツと隣村のポンテレジーナで過ごした。

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