現在までのところ、実際にICC(国際刑事裁判所)に1度加入しておきながら脱退してしまった国は、ブルンジとフィリピンの2カ国である。すでに述べたように、ブルンジ脱退の際には、効力発生の直前に正式捜査の開始が決定された。これに対してフィリピンの場合には、何も起こらないまま、2019年3月17日に静かな脱退が果たされた。もちろんその背景には、ブルンジに対してはすでに予備捜査が進んでいたが、フィリピンに対しては全く進んでいなかった、という事情がある。
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