
自著『雨だれのうた』(昭和22=1947=年刊より。撮影年不詳だが、義江と結婚できた幸せの頂にいたころ)
旗揚げした「藤原歌劇団」は、初演の『ラ・ボエーム』から『リゴレット』『カルメン』『トスカ』とグランドオペラを立て続けに公演し、順調なすべりだしを見せていた。
旗揚げでは3000円の赤字が出たが、『トスカ』では2000円の赤字ですんだ。
オペラ運営で一番コストがかかるのがオーケストラだ。50人近くの演奏者がボックスに入ることもある。旗揚げからしばらくは義江のコネで松坂屋オーケストラがわざわざ名古屋から派遣され、松坂屋もちで運営することができた。

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