米国民を襲う米NSA「サイバー兵器」の猛威

執筆者:山田敏弘 2019年6月14日
エリア: 北米
NSA本部。国民を守る盾が攻撃する側に……(C)AFP=時事

 

「トヨタはピックアップ・トラックを製造しているが、誰かがトヨタ製のトラックの前面に爆発物を取り付け、防御線を超えて群衆の中に突っ込んだからといって、それはトヨタの責任になるのだろうか?」

 これは、2019年3月にNSA(米国家安全保障局)のマイケル・ロジャース前長官がメディアの取材に対して発したコメントだ。ロジャース前長官は、NSAが国外のターゲットに向けて使ってきた極秘の「サイバー攻撃兵器」が、外部の何者かの手に渡り、それが世界中で悪用され、サイバー攻撃に使われている現実について問われ、こう答えた。

カテゴリ: IT・メディア 社会
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執筆者プロフィール
山田敏弘(やまだとしひろ) 国際情勢アナリスト、国際ジャーナリスト、日本大学客員研究員。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版、MIT(マサチューセッツ工科大学)フルブライトフェローを経てフリーに。著書に『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)、『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)、『CIAスパイ養成官』(新潮社)、『サイバー戦争の今』(KKベストセラーズ)、『世界のスパイから喰いモノにされる日本』(講談社)、『死体格差 異状死17万人の衝撃』(新潮社)、『プーチンと習近平 独裁者のサイバー戦争』(文春新書)。公式YouTube「山田敏弘 SPYチャンネル」 (https://www.youtube.com/channel/UCVITNlkbLneMV-C9FxzMmEA)も更新中
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