習近平「初訪朝」会談内容を読み解く

執筆者:平井久志 2019年6月27日
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習近平総書記(左)の「公式訪問」に、金正恩党委員長(右)はじめ北朝鮮は最大級の歓迎でもてなした[KCNA VIA KNS](C)AFP=時事

 

 中国の習近平総書記(国家主席)が、大阪で今月末に行われる20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)の直前である6月20、21の両日、北朝鮮を訪問した。これは胡錦濤総書記が2005年10月に訪朝して以来、中国最高指導者の14年ぶりの訪朝だった(意表突いた「習近平訪朝」は吉か凶か 2019年6月19日)。

 2001年9月の江沢民総書記、2005年10月の胡錦濤総書記の訪問はいずれも2泊3日であったが、今回の訪朝は1泊2日だった。しかし、先の2回の最高指導者の訪朝は「公式親善訪問」とされたが、今回は「国家訪問」(北朝鮮側発表、中国側発表では「国事訪問」)だった。「国家訪問」は日本式に翻訳すれば「国賓訪問」ということであろう。G20サミット前の多忙な日程を縫っての訪問で、時間的な余裕がなく1泊2日の日程に縮めたが、格式を1段階上げることで釣り合いを取ろうとしたのではないかとみられる。北朝鮮の最高指導者のこれまでの訪中も、大半は「非公式訪問」の形を取り、「公式訪問」は1982年9月に金日成(キム・イルソン)主席が訪中したケースぐらいとみられる。中朝両国は短い訪問時間だが、それだけ格式を上げて、この訪問の意味を高めようとしたのだろう。

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執筆者プロフィール
平井久志 ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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