岩瀬昇のエネルギー通信 (172)

解放「イランタンカー」差し押さえというトランプ大統領「ジャイアン的理屈」

執筆者:岩瀬昇 2019年8月19日
とりあえず「グレース1」号は解放されたが……(C)AFP=時事
 

 先日、人気のまばらな昼日中の電車の中で、小学生と思しき少年が父親に聞いていた。

「トランプ大統領って、どんな人なの?」

 何を思ったのか父親は「“ジャイアン”みたいなもんかな」と応えていた。

 筆者は思わず笑ってしまった。言い得て妙だからだ。

「ジャイアン」とは、漫画『ドラえもん』の登場人物の1人で、図体がでかく、乱暴で自己中心的であり、理屈にならない理由でしょっちゅう弱い者いじめをしているキャラクターである。知恵の足りない部分は「スネ夫」がカバーしており、「ドラえもん」の友達である「のび太」をよくいじめている。

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執筆者プロフィール
岩瀬昇(いわせのぼる) 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
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